このHbA1c、実は測定法によって値が変わることがある、というのはご存知でしょうか?
みなさんが病院や診療所で採血した血液は、
病院の検査室・検査センターに運ばれて様々な臨床検査項目について調べられます。
測定方法や測定装置は、各医療機関の検査室・各検査センターにより違うため、
血液の検査値も検査する場所により多少異なる場合があります。
これはHbA1cにもあてはまります。
HbA1cの測定法には、
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)法、免疫法、酵素法などがありますが、
各々の測定法について少し専門的になりますが簡単に説明します。
HPLC法
高速液体クロマトグラフィーという精密で分解能の高い測定法で、
HbA1cの標準測定法として、最も多くの検査室・検査センターで採用されています。
ただし、一部の自動分析装置においては、
HbA1c以外のHbを測定してしまいHbA1c検査値が影響を受ける場合があります。
免疫法
抗原抗体反応を利用した測定法で、
HbA1cを抗原として作成された抗体を用いた特異的な測定法です。
そのためHbA1cのみを測定することができるため、
一部のHPLC法のようにHbA1c検査値が影響を受けることがないと言われています。
また、免疫法はHPLC法に比較して、大量検体処理に適していて検査コストも安いため、
HPLC法に次いで多くの検査室・検査センターで採用されています。
酵素法
免疫法における抗原抗体反応と同様に特定の物質(基質)に対して
特異的に反応する酵素反応を利用した測定法。
HPLC法に比較して大量検体処理に適していて検査コストも安いため、
今後酵素法を採用する検査室・検査センターが増えてくるとものと思われます。
あなたが検査した医療機関がどの測定法をとっているかによって、
同時期に採血した血液であってもHbA1c値が上がったり下がったりする場合があります。
もしも皆さんがいつもと違う病院や診療所で検査をした場合は、
測定法の違いによりHbA1cの検査値が多少異なる可能性がある、
ということを覚えておくといいでしょう。
補足:以前よりHbA1cは検査する場所によって検査値の差が
比較的大きい検査項目のひとつでした。
しかし近年では、HbA1cを測定する自動分析装置の改良が進んだこと、
日本糖尿病学会によるHbA1c検査標準化事業の推進による効果に加えて、
HbA1cが血糖値とともにメタボ検診項目に指定されたことなどから、
病院の検査室・検査センター間のHbA1c検査値の差は縮小する傾向にあります。